「イメージに本当に苦しんだ。 俳優として名を上げ、作品をヒットさせる。 当時、本当にすごい事を成し遂げたと感じたんだ」。彼はそう言った。 その反動は俳優としての彼の生き方まで変えさせてしまう。
さわやかで明るく格好良い無敵のヒーロー。 「赤影から変えよう。変わろう」。無我夢中でもがき、考えたに違いない。坂口徹、坂口徹郎などと名前も変えた。 そうやって逃げようとしても、赤影は追いかけてくる。 そしてありのままの自分を受け入れることを決め、 再び坂口祐三郎に戻った時、全てが見えたのだろう。
「俺はいつまでも夢を見続けたいんだ」。誰が何を言っても自分を貫き通す。「死んだって俺は見続けるさ。俺だけの夢を」。この言葉と共に、赤影を超える新しい自分を求め続けた彼。 そんな彼こそ「仮面と生きた男」だ。 そう感じた瞬間だった。 今も彼は人々の心に生き続け、夢を追っていると信じている。
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