彼が亡くなって、早いもので12年になります。この間、彼との約束を
次々に実行することが出来ました。「赤影」のブルーレイBOX、書籍、
フィギュア、切手…など。7月13日の命日には十三回忌イベントも大
成功。本人が生きていたなら、きっと喜んでくれたと思います。二人で
「その後の赤影の映画を作ろう」と言ってから、もう20年以上が経ち
ます。各方面に声を掛け、あと一歩という所まで進めたものの、現時
点では成立出来ていません。当時、彼も私も「赤影の映画が観たい」と
思っていたのです。しかし、彼が亡くなってから時が経ち「本当に観た
いのは赤影なのだろうか?」という気持ちが心の中で芽生え始めまし
た。つまり、「赤影」が坂口祐三郎の創り上げた想念のキャラクターな
のであれば、その原点である彼こそが、映画や書籍なるべき題材ではな
いのかということです。彼がいたからこそ「赤影」は存在する。「赤影」
は彼だからこそ、今も人々の心に残るものになった。この文章も、この
想いも、全ては彼のためなのです。そんな想いを込めた作品の第一弾
として、彼と私との物語を元に製作したフィクション小説『仮面と生
きた男』を完成させることが出来ました。ぜひご覧下さい。
エンターテイメント作家 / 瀬崎智文
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